2017-08-12 

新薬

10年以上前に胃ガン(噴門ガン)が上手く発見出来て、噴門除去手術を受けて以来、自分では身障3級程度を頂いても間違いではないと思う程の持病持ちです。
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胃の上部だけを除去しましたが、胃酸供給部が沢山ある胃の下部は残ったままで、胃の入り口にある噴門は無くなったので、消化液としての胃酸が簡単に食道側に逆流して来ます。
胃酸が食道に逆流すれば、胃の様に耐胃酸粘膜の無い食道は、簡単に消化されてしまいます。
しかしながら、その”重度の逆流性食道炎”は手術当時の最優先事項“がん細胞の根絶”の結果なので、今更ジタバタしても意味は無く、上手く折合を付けながらの生涯伴侶にするしかありません。

元々はすこぶる調子の良い胃を持っていた自分が、胃弱者になってしまって、お世話になっているお医者さんから色々と教えて頂いた事を紹介します。

まず最初に、世の中には胃具合の悪い人が多いのですが、多くは3つに分けられると思います。
一つ目は胃腸の動き自体が悪くて、食べ物を押し砕きながら、粥状になった食べ物を上手く下に送る力が弱い、胃腸虚弱とも呼ぶ消化不良パターン。
(この胃腸の動きは、真逆に痙攣の様に激しく動き過ぎて、胃が差込む様に痛くなる場合もあるので難儀です。)
二つ目は胃酸や胆汁や膵液などの消化液の分泌が悪く、食べ物を上手く分解消化できずに胃近傍に長く留まるパターン。
三つ目は胃酸などの消化液が、必用の無いときにも出たりして、自らの消化液で自らの臓器を痛めるパターン。

自分の場合は、上記の三つのパターンとは少し外れて、必要な時に出た胃酸が防御機能の無い食道に迄上がって、食道を痛めてしまうのですが、自らの消化液で自らの臓器を痛める三つ目のパターンと似ています。

そんな胃酸から食道を守る術は大きくは3つ。
食道表面を保護膜で覆うか、出てきた胃酸を中和するか、胃酸を止めるかの3大分類しかありません。
①食道を保護膜で覆う方法は、昆布由来の粘液で覆う方法が保険適用されていますが、効果時間は数十分だけ。
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今から10年以上前に、手術したがん専門病院の外科医先生が処方した薬でした。

②胃酸を中和する方法は、市販薬とし古くから使われているアルミ製剤や炭酸塩中和剤などがありますが、効果時間は2時間程度。
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同じく10年以上前に、手術した外科医が処方しました。

③胃酸を止める方法は大きくは3つ。
1)第一世代の”胃酸の出る蛇口を閉める方法”としては、今では市販薬としても販売されているガスター。
これはナカナカの優れものですが、蛇口からポタポタト垂れる分があり、大部分が収まるレベルです。
手術した病院を退院する際に、がん専門病院の担当内科医が処方した薬でした。
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今から25年前に販売されて、発明した英国医師はこの薬の開発貢献でノーベル賞を受けました。

2)第2世代の”胃酸が出る機能を無くしてしまう”方法は、パリエットやタケプロンなどの薬名のプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬です。
今でも医師の処方箋が必要な薬です。
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この薬は20年程前から販売されている薬で、4種類ほどの薬品構造がありますが、いずれも強力に胃酸を出せなくしてしまいます。
これは、胃酸が出たことを検知して、胃酸の出る蛇口を枯らしてしまう方法で、胃酸が出る場所が無くなるので確実性が高くて、今では世界的に保険治療の主役になっていて、服用すれば確実に胃酸が止まります。
術後半年ほど経っても、食べると酷い胸やけになるので食が進まずに、体重減が続いていた時に、胃ガンを最初に発見してくれた地元の内科医が処方してくれた薬で、この薬を使ってから胸焼けが収まり、食も進み、体重減に歯止めがかかって正常体重に戻せました。
それ以来、今日に至るまで、自分が抱える重度の逆流性食道炎を抑え込んで、普通の生活を送る事を担保し続けてくれた薬です。
唯一の問題点は、消化しなくてはいけない食べ物の負荷状態により、薬成分が早めに消費してしまうこと。
普通に言う胸焼けしやすい食べ物を大量に食べると、薬効果が早めに切れてしまいます。
具体的には、脂っこいフライを大量に食べたり、筋っぽい芋を大量に食べたりした場合で、自分の好きな秋刀魚やスイートポテトを大量に食べると効果時間が短くなり、追加服用が必要です。

3)第3世代として”胃酸が作られる事自体を止める”方法も出来て、タケキャブと言う薬名です。
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これは2年程前に世界に先駆けて武田薬品が開発販売を始めた薬で、胃酸の蛇口を止めるのでも、胃酸の出口を無くすのでもなく、胃酸が出来る事自体を阻害してしまう方法です。
胃酸が全く作られないので、消化不良をおこして痩せてしまう副作用があるとすら言われています。
胃酸による胸焼けが起きた時に服用しても、タイムラグが少なくて、比較的速く効く、強力なお薬です。
最新の薬で、従来は胃酸が絶対に出てはいけないピロリ菌の除菌の時程度の限定使用しかできませんでした。
それが、重度の逆流性食道炎に限って、連続服用が保険適用されていました。
が、処方できる1日1錠の10㎎錠剤では、自分の体では20時間しか薬効持続せず、残り4時間が無策になり駄目でした。
所うが、20㎎錠剤も一応は継続的に処方できる薬事改正があり、重度の逆流性食道炎には実に朗報です。
20㎎錠剤は1錠240円の高価な薬剤ですが、保険適用できるので手が出ない価格では有りません。

どんなタイプの薬にしろ、胃酸を抑える薬が何らかの理由で服用できなくなったら、自分の胃酸で自分の食道が消化されてしまう重篤な病状になってしまうでしょう。
もし胃酸が止められ無いのなら、横になると胃酸含めた胃の内容物が食道の方へ流れて来るので、眠る時は最低でも上半身を起こしたままで、腹部圧迫も避けるなら立ったままで無いと眠る事も出来ないでしょう。
万一に備えて、財布にも1錠1日分を入れて常に携帯し、車にも10錠10日分を入れて外出時は常に持参し、南海トラフ巨大地震が起きた際も非常持ち出し品の最上位品目です。

そんなかんだの経緯で、この25年位の間に胃酸起因の潰瘍を抑える画期的な薬が相次いで開発販売され、10年以上前に重度の逆流性食道炎が起きる胃の構造になってしまった自分の体に役だってくれ、そして世界に誇れる日本国の充実した医療体制と保険制度のお蔭も相俟って、最新薬のタケキャブとのお付き合いも安心して始められる事になりました。
まずは、こんな薬を開発販売してくれた武田薬品に感謝して、武田薬品株を購入し、ノミの垢程度ですが武田薬品の応援も始めました。

一方で、このタケキャブが保険適用されているのは、現時点では世界で日本だけ?というのには、それなりの理由がある筈なので、薬害有無に注意を払いながら使っています。


何度も繰り返しになりますが、持病の薬については、日本の保険制度は実にありがたいです。
処方箋薬と比べて遙かに効果が少ない市販薬の多くは、1か月分を薬局で買えば諭吉さん1人が簡単にいなくなります。
それが、処方箋薬で保険を適用できれば、1カ月当たり英世さん3人で済みます。
しかも、良心的な医者なら慢性病については99日分の処方箋を書いてくれるので、受診費用も年間で一葉さん1人で済みます。
日本の保険制度と医療制度は、国民一人当たり800万円以上の巨額の国の借金のお蔭なので、いずれ破綻するなどと言う人もいます。
が、国の全資産も考慮すると国債1000兆円の2割にも満たない赤字額なので、今の所は大丈夫。
豊かな日本国のお蔭で、重度の慢性病持ちの我が身でも、経済的負担は極めて限られています。
改めてありがたい事です。